TopTextOWL’s foolish seriesOWL&Nori松本失笑珍道中> 復路篇

〜第三部 復路篇〜

 

Sun,18 2002 Nov. 10:17 長野県松本市 Nori邸

 

朝日が顔に当たったせいか、睡眠時間僅か6時間弱で目が覚める。これは、放って置けば10時間でも20時間でも30時間でも寝るOWLにしては由々しき事態である。

このまま起きようかとも思ったのだが、昨夜せっかく好きなだけ寝ていいと言われたのだから、この厚意を無駄にする訳にもいかない。

という訳で、0.2秒ほどじっくりと考えた末に、二度寝という結論に達し、すぐさま実行に移した次第である。

幾つになっても二度寝の幸せは変わらない。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 13:03 長野県松本市 Nori邸

 

惰眠を貪っているOWLの頭を小突く者在り。

目を開けるとそこには大根でも下ろせるんじゃねえかと思うほど強固な髭を顎にビッシリと生やした如何にも胡散臭そうな男が仁王立ちしていた。この顔には見覚えがある。他でもないNoriだ。

飯でも食わないかと、その人間大根下ろしNoriは言う。そうか、もうそんな時間か。

何はともあれ、腹が減っては戦が出来ぬ。一先ず、朝食というにはあまりにも遅すぎる、いや寧ろ昼食じゃねえかと思うような食事を済ませる事にした。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 13:32 長野県松本市 Nori邸

 

何やらバタバタしているNoriの家族たち。どうやらまたもや何かあるようだ。幾ら辛うじて客人の地位を保っているOWLと言えども、バタバタしている周囲を尻目に1人のんびりすると言うのは少々気が引けるものがある。

堪らずNoriに聞いてみた。

OWL「どうした何だ?相変わらず忙しいヤツだな。しかも家族までアタフタして。」

Nori「悪い、OWL。実は今日さ、弟の少年野球があってさ、ちょっと母さんを集合場所のグラウンドまで行かなきゃならないんだ。」

OWL「あ、そうなの?じゃあ、オレもついてっていいかな?」

Nori「それは願ったり叶ったりだよ。ありがたい。」

OWLはただ面白そうだったからついていくのだが、何故か感謝されてしまった。まあ、世の中そんなもんである。

という訳で、当然の事ながらカメラ持参でNoriの母上と共に真昼のドライブと洒落込んだ。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 14:26 長野県松本市

 

車の中で、適度に会話が弾む。

ここでOWL、1つ気が付いた事がある。

いや、前々から薄々思ってはいたのだが、Noriが家族(特にご両親)と会話する時の声のトーンが低い。温厚なNoriに珍しく怒っているのかと思いきや、そうでもない。しかし、どうもテンションが低いように見える。

理由は何となく分かった。

やはり、親と話しているからであろう。今のNoriは言うなれば実家モードだと言う事だ。

親と言うものに対しては、幾つになっても何とも言えない微妙な感情が渦巻いているのであろう。OWLも勿論そうである。

Noriの母上の話に対し、素っ気無く答えるNoriを見てOWLは、ああNoriも人の子なんだなあ、と感慨深くなった。

ドサクサに紛れて不届きな事を書くのはOWLの悪い癖だ。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 14:26 長野県松本市 某グラウンド

 

グラウンドでは、各々に様々なユニフォームを着た少年たちが大声を上げながら野球をしている。

運動が苦手なOWLには、眺めるばかりの光景である。

どの運動もほぼ万遍無く人並み以下のOWLであったが、中でも野球(ソフトボール)は抜群に悪かった。

先ずキャッチボールが出来ない。

ボールを取るのは投げる相手が上手ければ何とか出来るのだが、少しでも取り難いボールが来ると、からっきしである。

このヘボさは野球の試合では致命的だ。フライを追いかけて取るなんて高等技術など夢のまた夢、運良く落下地点にいてもグローブではなく頭でキャッチする始末。ゴロもトンネルするか顎でキャッチするかに限られる。何処を守ってもどんな球が来ても完璧にエラーする事が出来る究極の守備下手職人なのである。

ボールを投げたら投げたで真っ直ぐに飛んでいかない。あさってどころか2週間後くらいの方向に投げてしまう。とてもじゃないが試合に出てもファーストに投げる事など出来ない。ファーストに投げようとしてサードに投げる自信がある。

それでも打てればまだ試合に出れそうなものなのだが、運動神経皆無のOWLにそんな芸当が出来る訳が無い。

目が良いせいか、ボールをバットに当てる事は出来るのだが、どんなに振ってもバント並みのぼてぼてピッチャーゴロ。相手がエラーをしない限りアウトは確実だ。

こんなに野球(OWLがやったのはソフトだが)が出来ないのに、小学校の頃、近所の子供会のソフトボール大会に無理矢理出されていた。

とはいえ、OWLの実力は先ほど述べた通り、惨憺たる状態だったので、出来る事なら早く帰りたい、いや、本当に出来る事なら出たくなかったのだが、OWLの親はOWLが運動不足にならないようにという計らいか、それともOWLが参加しないと近所の方から村八分を食らうからなのか、理由は定かではないが毎回出された経験がある。

好きでもないものの為に朝早く起きて練習に行き、練習に行ったら行ったで顔面キャッチを連発して監督のおじ様からネチネチ厭味を言われ、心身ともに疲れ果てて練習を終える。

これを繰り返された結果、OWLは野球がするのも見るのも大嫌いになってしまった。今では、見るのはそうでも無くなったのだが、するのは未だに嫌である。

こんな事があってか、野球をしている人を見ると凄いと思ってしまう。あんな嫌な事をよくも続けていられるなと、尊敬の念すら感じてしまう。まあ、本人は好きでやっているのだろうが。

 

Noriの母上が車を降り、車が再び走り出すまでの間、OWLはそんな過去のトラウマ思い出に浸っていた。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 15:15 長野県松本市

 

Noriの車に乗り込み、グラウンドを後にするOWLとNori。

稲刈りが終わった後の殺風景な田んぼの中を貫くようにして延びている道路をただただ走っていると、道端に妙な看板が立っていた。そこには、こう書いてあった。

なまず帝国の町 松本

ちょっと頭を冷やす必要のある人が考えたと思われる矛盾100%の素敵な単語だ。無駄に抽象化されたなまずの絵の相乗効果もあって胡散臭さはかなりのものだ。

地方都市の隅にふと目をやると、このような日本政府非公認の怪しい国々が点在しているから地方って大好きだ。

その分、カメラで撮影できなかった事に対する後悔の念は強かった。ちきしょー。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 15:23 長野県松本市

 

話は前日の夕方、松本城を見終わり、Nori邸に帰る途中まで一旦遡(さかのぼ)る。

Noriが何やら景色のいい所に連れてってやる、とのたまい出し、車は一路山の中へ。

撲殺されてビニールシートに包まれて山奥に埋められるのでは、と不安になってきた頃に車が止まった。車を降りると、その場所が松本市が一望できる事に気が付く。

写真写りがイマイチなのが残念
夕闇に紛れる松本市街地。

Nori「本当は彼女をここに連れてきたかったんだけどなー、先にムサイ男を連れてきちゃったよ。あーあ。」

OWL「なにおう。」

勝手に連れて来ておいてそんな事を言われても困る。

その時、ふと目に入る景色の中に、不自然なまでにに草木が生えていない小高い丘を発見したOWL。すかさず聞いてみる。

OWL「あの怪しげなハゲ山は何だ?」

Nori「ああ、あれ?あれは中山霊園だよ。」

写真写りとか言う以前の出来
真ん中の小山のちょいとはげてる辺りが中山霊園だそうで。
ちょっとお墓ですよ奥さん。

OWL「ほう、霊園とな。じゃあ、その霊園の近くで煙突から煙り出してるあの建物(上の写真では確認できません)は火葬場か?」

Nori「火葬場かどうかは分からないなあ。ていうかね、そこで火葬場と言う単語が出てくるのはどうかと思うよ。」

 

ここで話をなまず帝国の看板を見終わった辺りに戻す。

車を運転しながらNoriが言う。

Nori「まだ三重に帰るまでもうちょっと時間あるからさ、まだ何処か言ってみたい所ってある?」

OWL「中山霊園。

OWLは即答した。

不吉な単語を即答する辺りにOWLの頭のおかしさが見て取れる。まあ、正直言うと、他に松本で知っている所が無かったからという理由もあったのだが。

という訳で、車は一路中山霊園へ向かった。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 15:41 長野県松本市 中山霊園

 

車は曲がりくねった急な坂道を登っていた。道は舗装されていたものの細く、その両脇は11月だと言うのに木が生い茂っていて逃亡中の指名手配犯の1人や2人は平気で出て来そうだ。

そんな道に臆する事無く車を巧みに操り、坂を上ってゆく我が心の指名手配犯Nori。免許持ちのクセして車の運転が全く出来ないOWLとしては、例え指名手配犯だろうと羨ましい限りである。

不意に視界が開け、目の前に広がる広大な土地。

そして、山肌には大量の墓石が。中山霊園に到着である。

れいえんれいえんれいえーん
こりゃまた広い。霊園ってそんなもんか。

着いても、霊園で何をするかを全く考えていなかったOWL、一先ず墓荒らしゴッコでもしてみようか、などと罰当たりな事を考えていると、霊園の隣にある広場からこちらに近寄ってくる野球少年とその少年の父親と思しきおじ様の姿が。

どうやらまたもやNoriの知り合いだったようで、Noriはその親子と世間話を始めてしまった。まったく、こやつの地元の知名度はどこまで広いのか。驚きを隠せない。

数分間の世間話の後、Noriは満足したのか、助手席に座っているOWLと言う名の怪しいバカ男を見られたくなかったのか、有無を言わせずサッサと中山霊園を後にしてしまった。

え、墓荒らしゴッコはしないの。

そうNoriに問いただそうとした頃には、中山霊園は既に霞の向こうへ消えようとするほどの距離に存在していた。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 16:11 長野県松本市 Nori邸

 

無駄に遠回りして、再びNori邸に着いた。

さらば松本
この景色も見納めか。

よくよく考えれば、昔からかなりのインドア派だったOWLがノリと思いつきでNoriの帰省に奇声発しながら寄生して自主規制満載の旅を繰り広げるとは。人と言うものは変わるものである。

などと感慨深い事を考える訳も無く、さっさとNori邸に入り、帰り支度をする事にした。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 18:15 長野県松本市 Nori邸

 

なんと再び夕飯までご馳走になり、終始恐縮しっぱなしのままNori邸を後にした。

Noriの父上・母上には本当に良くしてもらった。Noriの弟さんは今後が非常に楽しみな少年であった。兄を超えて頂きたい。Nori邸のイヌには結局最後まで目が会う度に吠えられ続けた。人間様を舐めないで頂きたい。

再び来るかどうかは分からないが、非常に有意義な時間を過ごせた。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 18:26 長野県松本市 某ガソリンスタンド

 

再び長い時間運転をするということで、ガソリンスタンドに寄る事となった。

ここでOWLが驚いたのは、Noriは給油ついでにタイヤの空気圧までチェックしてもらっていた事であった。

何だかよく分からないが、そういう事は実に念入りに、しっかりとしている。

かと思えば、肝心な所で派手なミスを巻き起こして、時にはOWLを始めとする周りの人物にまで被害を及ぼすという究極の肩透かしを食らわす辺りが非常に憎めない。

Noriが昔巻き起こした事件と言う名の伝説の多くは、Noriのこの様な性質が原因の1つとなっている事は間違いないであろう。

もういい。何もいう事は無い。だから自伝を書け。10年おきに自伝を書け。代筆だったら、いつでもやるぞ。当然、話に尾ひれを付けまくるぞ。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 18:36 長野県塩尻市

 

高速道路インターチェンジの近くは、何故かラブホテルが多い。

ここ松本市・塩尻市も例外では無いらしく、高速道路が近付くにつれて目に刺さるような色をしたネオンや地方の第三セクターを髣髴とさせる微妙な装飾がなされた建物があちらこちらに見られるようになった。

ここで気になるのは、ラブホテルの名前は一体どんな気分の時に考えるのか、ということである。

この度でざっと発見しただけでも、こんなにも斬新な名前のホテルを見つけることが出来た。

ベルサイユ

ラフォーレ

リッツラフォーレ

シンデレラリバティ

そよ風のメルヘン

キャッスル

This is a HOTEL

むぎ

もう斬新過ぎて開いた口が塞がらない。何だこの暴走する個性。

ベルサイユの様な優雅さを追求した名前もあるかと思えば、むぎなどという胡散臭いまでに素朴さを追求した名前もある。しかし、OWLのヒットはどう考えてもThis is a HOTEL。正にそのものズバリ。非の打ち所が無い。君は最高だよ。

一体何屋さんになればラブホテルの名前を考える事が出来るのだろう。お金は要らないからOWLも1つくらい考えてみたいものである。

確か、この時にはこのような話をNoriに熱弁して鼻で笑われたような気がする。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 18:41 長野県塩尻市 長野自動車道塩尻インターチェンジ

 

塩尻から長野道へ。ここからまた長い長い高速道路の旅が始まるのである。

往路の時、Noriはこの辺りで塩尻は英語でソルトヒップ発言をしたのを何となく覚えていたので、また塩尻関連で何か言ってくるだろうと予測していたら案の定であった。

Nori「お、また塩尻。英語で言うとソルトヒップだね。あ、でもさ、それって文法的に間違ってるよね。ソルティーヒップの方が文法的にはあってるよね。どっちにしろ面白いけどね。」

そんなNoriの何処か逝っちゃった発言に対し、OWLが何とも曖昧な発言で返したのは想像に難くないと信じたい。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 18:45 長野県岡谷市 岡谷ジャンクション

 

中央道に再び侵入。当たり前のことではあるが、車はもと来た道をなぞるように帰ってゆく。

いや、世間の常識はNoriの非常識と言っても過言ではないほど異質なものを掻き集めて形成されたような感性の持ち主Noriには、当然この当たり前も通用しない。

後で知った事なのだが、こやつ、始めは復路は高速道路を使わないでいこうと思っていたようなのである。

往路の中央道ですら、身の危険ばかり感じていたOWLにとってはそれはとんでもない事である。気が付いたときには地獄の一丁目ということにもなりかねない。

しかし、さすが生みの親・育ての親と言うべきか。Noriの父上と母上がOWLの身を案じ、わざわざ交通費を負担してまで高速道路を使って変えるように諭したらしい。

た、助かった。

もちろん、当時はそんな事実など知る由も無く、さも当然の如く来た道を戻っていたのであったが、実はその時、OWLの知らない所で危機を回避していたのである。

まあ、珍道中のネタの量と質の事を考えればマイナスではあるものの、このNoriを始めとするNoriご家族のご厚意は本当に助かった。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 19:03 長野県伊那市 中央自動車道

 

どのような話題からこの話になったのかは全く覚えていないのだが、OWLがふとアトラク=ナクアという単語を発した。

実はOWL、その単語の意味はほとんど分からず、強いて言うならば何かのゲームらしいと言う事と、たまたまネットで巡り合ったそのゲームのテーマ曲がなかなかいい曲だったと言う事がかなり無駄に近い知識としてOWLの脳内に残っていた。

要するに曲だけしか知らなかったのだが、その言葉を発した途端、今まで、運転の最中だった事もあるだろう、無表情な顔をしていたNoriの顔が、突然物凄く好意的な表情になった。

Nori「ええっ、アトラク=ナクア知ってるの?」

その突然の変貌振りにOWLはただただ「ほひゃあ」だの「うにょら」だのと曖昧な返事をするしか出来なかった。

Nori「おおーこっちの知り合いでアトラク=ナクア知ってる人なんて初めて見たよー。ちょっと感動だなあ。」

やばい。どうやらかなりマニアックな単語だったようだ。OWLは先ほどの発言を酷く後悔した。

OWL「きっ、曲だけね。メインテーマだけ知ってるんだからね。他は全く分からないから。ところでアトラク=ナクアってどんなゲームなん?」

Nori「ああ、あれは18禁ゲームだよ。」

どうやらOWLは地雷を踏んだようだ。本当にメインテーマを聞いた事しかないのに、その言葉は全くNoriには届いていないのか、それとも知らないからこそアトラク=ナクアの魅力を存分に伝えようとしているのか、まるで隠れキリシタンが隠れキリシタンを発見したかのような喜びようでアトラク=ナクアの話を延々し始め、挙句の果てにはアトラク=ナクアの曲が入ったCDを何処からとも無く取り出し、音楽を流し始めた。

Noriの知識の、かなり深い所の一部分を垣間見たような気がする。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 19:22 長野県駒ヶ根市 中央自動車道駒ケ岳サービスエリア

 

行きと違い下り坂が続くせいか、それとも一度通った道だからか。

思っていたよりも早く駒ヶ根市の駒ケ岳サービスエリアに着いた。約10分の休憩、そしてお土産購入タイムである。

それにしても、ここのサービスエリアは本当に紛らわしい。前にも述べたが、ネットで調べても駒ヶ根と駒ケ岳がごっちゃになっているページが数多く存在した事からも、この紛らわしさがかなりのものだと言う事を表している。

ここでハッキリしておこう。駒ケ岳がサービスエリア、駒ヶ根はインターチェンジである。あれ、これで良かったっけっかな。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 19:40 長野県飯田市 中央自動車道

 

駒ヶ根…ではなく駒ケ岳サービスエリアを出発して数分。

先ほどまで延々と流れていたアトラク=ナクアの曲が全く聞こえなくなった。

あれ、おかしいな。OWLがカーステレオを覗き込んだその時である。

ステレオ「ふ・じ・さ―――――ん!ふ・じ・さ―――――ん!高いぞ高いぞ、ふ・じ・さ―――――ん!

突如始まる大音量の富士山連呼。何なんだこれは。

Nori「電気グルーヴだよ。」

ああ、なるほど。何となく合点がいった。

この様な曲を作るのは彼ら以外にはそうそういるものではないし、そもそもOWLはこの曲を知っていたではないか。あまりの大音響に記憶が吹っ飛ばされて直ぐには思い出せなかった。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 20:13 岐阜県恵那市 中央自動車道

 

やはり何があるか分からない行きと違って帰りは緊張感が無い分退屈するもの。

という事でOWL、Noriにしりとりをやろうと薦めた。

何故かOWL一家は長旅の空き時間にしりとりをしていた。その癖が出たのだ。

Nori「また何でしりとりなんか。」

OWL「いいじゃん、退屈なんだから。」

Nori「それと同じ事を前にも授業中に言ってたよね?」

OWL「ああ、あれね。だってあのおっさん授業中なのにどうでもいい事ばっか言うからさ、暇つぶしにいいかなと思って。」

Nori「まあいいけどね。で、何しりとりにする?授業中にやった地名しりとりはオレの圧勝だったけど。」

OWL「ドサクサに紛れて人を蔑むヤツだな。まあいいや。それじゃあ人名しりとりで。」

Nori「人名?人名かあ。オレあんまり最近の芸能人とか知らないんだよなあ。」

OWL「知ってる。もう最近の芸能人と聞いてサーフィスと言った辺りから知ってる。」

Nori「はいはい。で、どっちから?」

OWL「そっちで。」

Nori「ええーまたオレー?つーか、何から始めればいいんだ?『しりとり』の『り』か?『り』が始めに付く人なんていたっけ?」

OWL「そう言えば、あんまいねえなあ。じゃあ『あ』で。よろ。」

Nori「『あ』?『あ』ね。うーんと…………………阿藤快。」

OWL「へ?」

全く意外且つ微妙な答えを発してOWL思わず聞き返してしまった。

一番最初から阿藤快とは。もっと他に有名どころがいる様な気がするのだが。

そして、この滑り出しからも分かるように、OWLvsNori人名しりとり合戦はNoriのお陰でどんどんおかしな方向へ進んでいった。

Nori「えーと、じゃあ○○××(名前忘れた多分人名)。」

OWL「は?誰だそれ。」

Nori「え、知らないの?○○を。」

OWL「知らんなあ。」

Nori「えー。マジで?△△△△(アニメの名前らしい)のエンディングテーマ歌ってたのに。」

OWL「また何処ぞのC級アイドルかい。んなもん知るか」

Nori「しょうがないなあ。じゃあ、××◇◇(名前忘れた多分人名)は?」

OWL「それも知らん。誰。」

Nori「ええーこれは知ってるでしょ。確か、▼△▼△(外国の地名っぽい)の◎●◎●革命で先導者として活躍して…。」

OWL「そんなマニアックな世界史は知らんぞ。」

Nori「知っててよ。」

OWL「嫌だそんなマニアックな人の名前知るの。」

長々と頭の悪いセリフを書いてきた訳であるが、まあ要するにNoriの野郎は事ある毎にマニアックな人名を言いまくってしばしば対決を中断させるのである。

しりとり歴推定15年。OWLも様々なしりとりをしたものだが、ここまで疲れるしりとりも初めてである。

勘弁してください。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 20:21 岐阜県恵那市 中央自動車道

 

マニアック(←これはNori限定)しりとり合戦は、僅か数分で終焉を迎える事になる。

OWL「『こ』…『こ』…、香田晋。あ。」

Nori「はい負けー。」

OWL完敗である。こういう知識の対決ではNoriには叶わない。

だが、ここで諦めるOWLではない。さも当然の如くマニアック(←もちろんNori限定)しりとり合戦第2ラウンドを開始した。

しかし、我ながら敗因が香田晋さんというのもどうかと思った。から揚げもみもみ(古い)。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 20:30 岐阜恵那市 中央自動車道恵那峡サービスエリア

 

OWL「『う』、『う』、宇多田ヒカル。」

Nori「はい、恵那峡に着いたよー。」

え、何だ突然。確かに恵那峡だがしりとり合戦はどうなった。次はNoriの番なのに。おいNori。次は君の番だぞ。『る』だぞ。

そう思っているうちに車は恵那峡サービスエリアへ入っていった。そして、これっきりしりとり合戦が再開される事は無かった。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 20:33 岐阜県恵那市 中央自動車道恵那峡サービスエリア

 

OWLとNoriは恵那峡サービスエリアで夜食をとる事になった。

実は往路の時、Noriお勧めのメニューがあったのだが、頼んでみようとするとそのメニューが無かったのである。

理由は至極簡単なことで、反対側、つまり名古屋行きの方の恵那峡サービスエリアにしかなかっただけなのである。

そのため、今、名古屋に向かっているOWLは迷う事無くNoriが薦めるメニューであるカレー丼を食べる事にした。

カァァァレェェェェェェェェ
見よ、このカレー丼の勇士。見なくていいけど。

これがまた美味かった。OWLがカレー好きだと言う事もあるが、これは実に美味い。書いている今でも思い出して腹は鳴るわヨダレは出るわでかなりエライ事になっている。恵那峡サービスエリアに寄る際には、このカレー丼を試食してみる事をお勧めする。

物凄い勢いでカレー丼を食べまくっていると、いつの間にやら向かいにいる筈のNoriの姿が無い。

まさかOWLをこの異国の地に置いて自分だけサッサと帰りやがったな、などと犬畜生な事を考えていると、Noriがまた妙なドリンクを持って席に戻ってきた。しかも、前とは違うドリンクだ。

OWL「また怪しげなドリンクですか。あんたも好きねえ。」

Nori「まあねえ。これがなきゃ眠くなっちゃうからねえ。」

是非写真に撮りたい、という欲求がムクムクと芽生えたのだが、何故かNoriの目の前で撮影するのは憚(はばか)られた。

だが、丁度いいタイミングでNoriがトイレに行くため席を立ったものだから、その怪しさ爆発ドリンクを悠々と撮影する事ができた。

こんなのよく飲む気になるなあ
この写真を撮っている時、近くの子供に怪訝そうな顔で見つめられた。

またもやドリンクに書いてある字が非常に読みにくくて申し訳ないのだが、百草と書いてある。

OWL、ドリンクの名前を完全に忘却してしまったため正確な名前は分からないのだが、百草とくればOWLの中では後ろにつくのは「丸」、つまり百草丸のドリンクということになる。

だが、この百草丸、前に一度食した事があるのだが、これが本当に食べて害が無いのかと疑いたくなるほどの不味さ。舌が引きちぎれるかと思った。

こんなものをドリンクにする方もする方だが、飲む方も飲む方だと思った。不味くないのかそれは。

それにしても、百草丸。腹痛には良いと聞いたことがあるが、眠気覚ましの効果があったかどうかは覚えていない。多分、そんな効果は無かったように思えるのだが、それとも何か、その人が作ったとは思えないほどの不味さが目蓋を抉(こ)じ開けるのか。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 20:54 岐阜県恵那市 中央自動車道

 

夜食も終え、恵那峡サービスエリアを後にした。

休憩と夜食で少なからず体力を取り戻したOWLとNori。

しかし、出発し、カーステレオのスイッチを付けた時、流れ始めた音楽は先ほど富士山を連呼してOWLとNoriの脱力を大いに誘った電気グルーヴであった。

その電気グルーヴの脱力極まる曲がOWLとNoriの体力を根こそぎ略奪していったのは言うまでも無い。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 21:11 愛知県小牧市 小牧ジャンクション

 

行きにはあれほど時間がかかった中央道もあっと言う間に終わってしまった。

中央道の勾配がどれ程きつかったかが窺える。

そんな中、OWLとNoriはその行きからは想像が出来ないほどの速さに感激する事無く、ひたすらガンダムの話で盛り上がっていた。

OWL21歳、Nori22歳。こんな大人ですいません。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 21:46 三重県四日市市 東名阪自動車道御在所サービスエリア

 

さて、ようやく最後の休憩地点である。もはや特にする事も無いので、トイレ休憩だけと相成った。

ここで一騒動巻き起これば面白かったのであるが、騒動巻き起こし界期待の新星Noriは長時間の運転で、そしてOWLもまた長時間のはしゃぎすぎで既に満身創痍、抜け殻状態、生ける屍と化していて、とてもそれどころではなかった。

果たして、こんな事で無事に辿り着けるのか。結局最後の最後まで前途多難という文字が消えることは無かった。

 

 

Sun,18 2002 Nov. 22:41 三重県津市 OWL下宿

 

徐々に見飽きた景色が見えてくる。ようやく三重県津市に戻ってきたのだ。

こんな旅を一時は週末ごとに繰り返してきたNori。怪物並のタフさの持ち主と言い切っても否定するものはいないだろう。あやつ本当に何者だ。

とは言うものの、Noriにはこの旅で最も世話になったのは事実。別れ際にはしっかりと礼を言って、世界で一番落ち着く場所である自分の下宿へ帰った。

それにしても本当に疲れた。明日は大学で実験があるのだが、果たし遅刻せずに実験に参加し、事故を起こす事無く実験を終えることが出来るのだろうか。

しかし、そんな不安が湧き出るよりも先に、睡魔の集団が再びスクラムを組んでOWLに突撃してきた。

そこでOWLはシャワーを浴び、使い捨てカメラの最後の1枚を使って今回買ったお土産の写真を撮った所で力尽き、明日の実験の準備をする事無く、深い眠りの淵に転げ落ちていったのであった。

何が何だかサッパリ分からない
部屋が汚すぎて何処から何処までがお土産なのかよく分からない所がポイント。

 

やれやれようやく終わりましたよ奥さん


松本滞在篇に戻る


[PR]《完全無料》ゲームサイト登場:追加料金一切なしで安心遊び放題